Never too late. Go for it!

イノベーション、リーダーシップ、そしてキャリアについて考える
(最近は、マネジメント、マーケティング、資産運用もちょっとずつ)
[BOOK]究極のBtoBマーケティング ABM

 

前職で中小企業を主な顧客としていたB2B企業にデジタルマーケティングをコンサルし、導入・運用を支援していたが、現職はグローバル企業をターゲットとしているので、いくらインバウンドマーケティングを駆使しても非効率だなと感じていたところ。また、アカウント体制を敷き訪問営業型で引き合い獲得での成功体験から、どのように、マーケと営業が協力して案件開拓していくのかに最良の答えを見出せずにいた。

 

そこに聞こえてきたのが、ABM=Account Based Marketing。各社の定義からも、従来の法人営業/アカウント営業とどこが異なるのかしっくりこなかったので本書を手に取ってみた。

 

営業の引き合い依存体質は、既存市場・既存顧客に注力するだけで毎年売上が増大していく特殊な市場環境で、高度成長期からの日本のB2B企業はその成功体験に縛られている、がリーマンショックで完全にそれも終焉。経営側はそれ以前から、新規顧客開拓、新規市場進出を図ってきているが、営業は「今目の前の売上目標の必達」のみに集中する(=売れるもので、手離れのよいもので、案件単価の高いものなら喜んで自ら売るが、それ以外は無駄だと興味を示さない)ので、実はアカウント営業を採っていたとしても成功していないと指摘しているのが印象的だった。言われてみればその通りだ、と。

 

新規市場ならもちろん未取引企業もある。既存取引企業であっても売りたい商材が異なればアプローチすべき部署も異なる。これを売上目標を追う営業に同時に担わせても商談が出てくれば後回しにされるのは当然の行動。だからこそ、それをマーケが「デマンドセンター」として、「営業案件を安定供給する組織」とこの3つのプロセスを統合し、CMO直下で組織化し、データの一元管理を進めるのが効果的という提言になってくる。

  1. Lead Generation: 見込み客データの収集
  2. Lead Nurturing: 見込み客の啓蒙・育成
  3. Lead Qualification: 見込み客の絞り込み

商材を決め、STP分析をし、リード創出、育成、絞り込みの計画を立て、インサイドセールスが肝、見込み客データの統合・名寄せが大事、等は、デジタルマーケティングと同様だったのでおさらい。

 

なるほどと感じたのは、ターゲットアカウントの設定。業種業態や企業レベルはもちろん、その購買検討する部署、そして検討を主導する役職、そして静的な属性だけでなく、動的な「状態」にも着目すべきという点。いわゆる「困りごと」を感じる要因がそのターゲットアカウントを取り巻く環境として現象があるはずと。例えば、オフィス移転の最大の要因は「手狭になった」だが、それは「社員が増えた」からという現象から、早々にオフィス移転ニーズが顕在化することが想像できるだろうと。

 

もうひとつは、ABMではターゲットアカウント「のみ」にアプローチすること。例えばセミナーの告知・集客にしても、ターゲット以外には案内送付すらしないし、ターゲット以外からの申込を断るとも。営業フォローできる人数規模、参加者から質問しやすい雰囲気をつくることがポイント。

「ABMで重要なのは大きな会場を満席にすることではなくて、小さな会場をターゲットアカウントに所属するターゲットパーソンで埋めること(P.162)」

 

こう考えると、いわゆるナーチャリングサイト(ターゲットセグメント向けのお役立ち情報提供サイト)を構築・運営する「必然性」はなさそうにも思えるが、数多くの商材を扱い、既存顧客も多数という企業であれば、コミュニケーションチャネルとして運営し、コンテンツを蓄積しておくのは有益かもしれない。このあたりは、ABMだから不要といったセロイチ議論ではないのかもしれない。

 

これからやろうとしている市場は、日本企業ではなく、各国から海外に進出するグローバル企業がターゲットなので、日本企業の意思決定プロセスの特殊性(課長クラスが検討を主導し、部長以上は相談を受けつつ、稟議書にはサインする側)と、欧米系でのジョブディスクリプションによる責任範囲の明確化とそれに応じた決裁権限が明確、というのは参考になる。日本企業向けにデジタルマーケ施策を練ってきたノウハウを外資系に応用する際、ABM手法を採るならば、まさにターゲットパートンの属性(アトリビューション)分析が重要になるのだろう。現地法人のマーケ担当者と話す際に頭に入れておこう。

| 21:31 | innovation+marketing | comments(0) | trackbacks(0) |
仕事への手応え

中国の電気通信事業規制やサイバーセキュリティ法など、当該国での事業への影響を調査・分析するのも担当業務のひとつ。

 

今まで日本国内で培ってきた経験がこんなところでも応用できていてありがたい。特殊会社で業務規制も課せられた中で、新サービスを開発するために、提供内容を要素に分解して定義する等、市場からはかけ離れたところで知恵を絞るなど特異な経験だったが、その頭の体操が、中国での規制内外かを検討する際の思考の引き出しとなっている。これはテレコムキャリアで仕事をしていれば基本動作として身についている素養かと思い込んでいたがそうではないと最近気付いた。

また、事象や課題の構造が理解できると、ハイコンテキストな会話にもついていけるようになるし、英語で交わされる社外との協議も頭に入ってくるようになった。英語で自分の意見を日本語並みに述べたりするには至ってないが、この会社で仕事しやすくなってきたし、自分が付加価値を出して貢献できるとの手応えを感じ始めている。

 

 

海外現地法人の経営モニタリングも業務のひとつ。

 

事業計画の進捗を月次でチェックし数字から透ける現場の兆候を如何に掴むか。計画の立て方も現法経営者の癖を加味して意図を理解しておくのが前提だし、各事業や案件がどう動くとどう数値になって現れるかを知っておくことが必要になる。

また、株主総会や取締役会等の機関運営を合法かつ適切にできるよう支援・指導することもあるので、各国の会社法も必要な基礎知識で深く理解しておく必要がある。

そして、国際税務。前々職で不動産を扱っていたので、そこでも税務知識を必要に応じて学んでいたが、国を跨る取引だとまた別の税制がある。さらには日本だけでなく、各国の税制も知っておかねばならないので範囲も広い。源泉徴収税やら租税条約やら消費税の適用やら、移転価格税制やら。もちろん、専門家にはなれないから、本社の各組織に相談・照会はするけれど、各案件を見た際に、そうした点を考慮し対策しているのかの「におい」を嗅げるようになっておきたいと思っている。

 

自身で何かを創造してるわけでもなく付加価値をつけているわけでもなく、やれて当たり前のことをちゃんとできているかチェックしながら円滑にできるように潤滑油になるだけだから、自分のキャリアアップには何も繋がっていないだろう。
誰かの役には立っているだろうと信じてるし、役に立っていないけど誰かがやらなきゃいけない係なら逃げずに真正面から取り組めばいい。

でもそんなこと気にせず、未知の世界で大変だが新しいことに触れるのは知的好奇心が刺激されて楽しいから、続けていこうと思う。

 

| 16:55 | diary | comments(0) | trackbacks(0) |
[BOOK]アクセル デジタル時代の営業 最強の教科書

 

マーケティングオートメーションに詳しい知人から紹介され、知識の上積みするため読んでみた。いわゆるリードナーチャリングの手法やテクニックを紹介するのかと想像していたが、暗黙知と個人技の職人芸の塊になりがちであった営業を、再現可能で予測可能にするという理系アプローチで確立していく過程を紹介していた興味深い内容だった。

 

マーケティングオートメーションは、見込み客の行動に合わせて作業を自動化するという表層的なことが語られるが、その設計思想はまさに「定量的に把握し継続的に改善すること」。これはリードを創出しニーズを見極めるフェーズのみならず当然受注に至るまでの全プロセスに跨るもの。

 

本書では、そのマーケティングプロセスの定量化を実現する以前に、そもそもどんな営業担当者を採用すべきなのか?どんな営業プロセスが最も効果的なのか?会社が実現したい営業スタイルにするには、どのような報酬体系にするのがよいか?などを、仮説検証を繰り返して導出する実験科学アプローチを採ったことが印象的だ。

 

このHubSpot社で成功する営業担当者の特性は、以下の5つを挙げていた。

  1. コーチング応用力
  2. 好奇心
  3. 成功体験
  4. 知性
  5. 勤労意欲

 

そして、採用した営業担当者を、どう自社の営業方法論で活動してもらうためのスキルをどう育成するか、それを仕組み化し営業マネージャにどうコーチングして部下指導していくかも、同様に実験科学アプローチで確立し、計測可能・予測可能なプロセスとしている。

 

この急速に成長するスタートアップでもやはり同様かと納得したのは、営業マネージャがマネジメントに徹すること。自らがチームの成果を挙げるためにプレイヤーにならないこと。部下の成功を願い、行動結果を一緒に振り返りながらフィードバックし改善を促していくという点。組織をスケールさせるには仕組み化しておくこと、そのマネージャの能力の限界が組織の実力の限界とならないようにすること、でもあるし、上司も部下もそれぞれ仕事を通じて成長するためには、それぞれの創意工夫とたゆまぬ改善が効果的だということなのだろう。

 

後半では営業プロセスとしてこちらかの押し付けは無意味で、いかに見込み客側のカスタマージャーニーに沿って、購買検討を後押ししていくかが営業には必須であるか、そのために具体的に為すべきことが解説されている。ここは自分にとっては今まで習得してきた内容のおさらいだったが、やはりそうだよなと改めて自分の信じることが正しいと確認できてよかった。

 

見込み客の購買可能性を見極める切り口として、BANTの代わりに、GPCTというのは参考になるかもしれない。

  • G: Goal
  • P: Plan
  • C: Challenge
  • T: Timeline

 

 

やはり、改めて思うのは、研究開発や生産では当たり前のこととして実践してきた実験科学アプローチにより、再現可能なモデルを如何につくり、計測・予測により、改善しつづける仕組みを如何に組織に埋め込むかがこれからの競争力の源泉になるという点。これは組織文化を根本から変革することであるので、容易ならざることではあるが、逆に変えることができれば、模倣困難な優位性になりうる。

 

挑戦しがいのあるテーマ。

| 16:25 | innovation+marketing | comments(0) | trackbacks(0) |

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