Never too late. Go for it!

イノベーション、リーダーシップ、そしてキャリアについて考える
(最近は、マネジメント、マーケティング、資産運用もちょっとずつ)
[BOOK]経営の進路

 

海外事業に携わるようになり約2年。日頃の業務で感じた疑問、研究会等で得た知識・知見がまだバラバラだったのが、本書を読むことで繋がった。

 

著者は、1990年の冷戦終結により、根本的な経済構造と企業経営が変化し、急速に拡大した企業経営の最前線として以下の3つがあり、それぞれが乗数効果のように関連し影響してきたという。

 

・グローバル=世界経済が統合=東西分断が終焉し、旧東欧諸国や中国・アジア諸国、インド、ブラジルの経済発展が開始。新興国ブーム

・キャピタル=新自由主義の拡大、マネタリズム(金融緩和政策)の台頭、高齢化による年金資金の積み上がり、による金融経済の膨張

・デジタル=コンピューティングと通信技術(インターネット、無線)の革新、米国の軍縮による民間への先端技術・有能な人材の流出

 

また、なぜ日本企業が冷戦時代には海外展開で大成功し、新興国への工場建設で先行したのに、新興国市場開拓では後塵を拝しているのか、事業戦略面、組織管理面から述べているが腑に落ちた。冷戦時代の特殊な環境下での成功体験が「日本で受容された良い製品を作れば全世界でも受容される」との勘違いを生み、雇用を重視するが個々人の能力を軽視する、数値管理が過ぎてむしろサイロ化・短期思考に陥っている、現状の延長線上での経営であり、戦略思考に基づく長期経営ではないなど。

 

 

また、ちょうどグローバル経営に関心があったので、グローバル経済への対応についての解説は疑問が解け理解が深まった。

 

・新興国の経済発展の加速により巨大な消費市場へと進化したため、自国の需要不足を克服する新たな成長機会

 →母国や先進国市場とは異なる市場開拓のアプローチが必要

 

・収益目標や管理の仕方を含めた柔軟で機動的な組織運営

 →異なる文化圏の多様な人材能力を活用するための人事制度の整備や最前線の活動をサポートする兵站機能の確保など、複雑化・巨大化していく事業運営を司るための組織と経営体制が求められる

 

・為替から災害、地政学までのあらゆるリスクを引き受けるため、高度なリスク管理と財務的体力も要求される

 

・新興国での生産拠点化では、立地、行政折衝、物流路の確保、労働者の採用・育成、安定操業の確立などの長大化するサプライチェーンの設計・管理の巧拙が競争力を支配

 →地場の専門業者に生産委託する方式を採用(台湾、中国における組み立て生産(ホンハイ、TSMC)、インドにおけるソフトウェア開発(タタ、インフォシス))

  ※ファブレスメーカでの成功例:アップル、クアルコム

 

・経営戦略のポイントは、現地化の追求と標準化・集約化のバランスをどうとるか?標準化・集約化はエンジニアリングだけでなく、バックオフィス業務でも実施。

 また、地域や国家間の差異を構造的な優位性として自社に戦略的に取り込んで行くことが重要であり、コスト優位性、高度人材の確保、母国の地域優位性だけでなく世界各国に遍在する優位性を自社に取り込む

 

・組織運営も本社支社の縦の関係から、マトリクス組織による収益責任追及と調整要求へ移行してきたが

、さらには、マトリクス組織による管理の多層化が縦横の軋轢調整に多大な組織コストを発生させるため、以下の3つへ進化

 

 1 組織のオープンアーキテクチャ化

   ・バリューチェーンの特定機能上に自社の優位性を見出し、事業を絞り込む一方、

    その他の機能を外部委託することで事業を得意領域へ純化し組織をコンパクト化

   ・バックオフィスや管理機能の世界標準化と外部化

 

 2 ガバナンスモデルの改革

   ・人々を管理するのではなく、内的に動機付けすることを主眼とした組織設計

    (企業理念、行動規範、ミッション、ビジョンを重視)

 

 3 組織のフラット化とネットワーク化

 

・また、キャピタル経済への対応となるが、グローバル化した資本市場からの企業業績への圧力に対し、株主価値志向の経営を強化するため、効果的なM&A戦略を構想し、的確に遂行する能力が成長戦略に必須の経営手段となる

 

 

| 22:00 | leadership+management | comments(0) | trackbacks(0) |
ミッション、ビジョン、バリュー、そしてタレントマネジメント

1ヶ月程前に、グローバル経営に関する研究をする会合に参加させてもらった。

 

その回のテーマは、「Talent Management」

企業の成長力や競争力の源泉はやはりヒトで、そのポテンシャルを企業として最大限に引き出すことが大事だから経営の仕組み自体にどう組み込むかがポイント。実践していると自称する企業でも、実は「Succession Management」であり似て非なるものであったり、幹部候補の早期選抜であって実践範囲が一部に留まるなど、取り組みに濃淡もある。

 

先進事例はGEやIBM。

キャリアは自分自身が責任を持ち、企業側はそれを尊重し速く大きく成長したいと考える社員には、ギリギリ達成できるかどうかのストレッチした機会を与える。マネージャの責務として部下の成長があり評価項目になっている。成長を希望するのに18ヶ月以上現職にいる部下がいると、キャリア開発を怠っているのではないかと人事部がマネージャに確認を求める。だからマネージャは部下が成長できそうなポジションに空きがあるかどうか常にアンテナを張っているし、空きが出るとそのポジションの責任者に部下が適任だと売り込むらしい。

 

そもそも人事部には個々の社員の人事異動や評価昇進は職務範囲外であるし、転居を伴う異動や赴任は本人の同意なくして成立しないという雇用常識が根底にある。そして、最も重要なのは、自社のミッションとビジョンをしっかりと定め、それを実現していくにあたり大事にしたい価値観はどんなものなのかを明確にしておくことだと言う。それに合致した人だけを雇用するし、そこのミスマッチは他の社員にも悪影響だし、そもそも社員のキャリア開発には、そのミッション、ビジョン、バリューと合っているからこそ会社は支援しうると考えている。

 

確かに、この企業は世の中どう良くしたいのか、そのためにはどんなことに重きを置くのかといった与件の中で、自分はこの環境を活かしてどう成長させたいのか?と考えていかないと、単に報酬や昇進や待遇などの内向きで受け身な雰囲気になってしまうかもしれない。

 

さて、自社を振り返り、掲げられているミッション、ビジョン、バリューは、腹の底から信じられる使命、実現したい未来、常に自身の行動の拠り所となる価値観だろうか? これが、志を同じくするメンバーで集い立ち向かっていくということなのだろう。

 

| 19:13 | leadership+management | comments(0) | trackbacks(0) |
[BOOK]ザ・会社改造

 

ミスミを建て直し大きく成長させた、三枝氏の軌跡を自ら振り返った著書。当時どのように考え判断し実行してきたか、失敗に陥ったところからどうやって復活させたのかが記されている。

 

ベースとなるのは、「創って、作って、売る」のバリューチェーンを如何に高速に回すかを追求した戦略。スループットの速さにもこだわる。また、顧客にとっての価値を見定め、競合よりも優れた自社の能力をどう活かしてそれに応えるのかといったセオリーには忠実。社内政治に陥りそうなところをいかにトップのコミットメントで断ち切りあるべき姿へ近づけるか。

 

多角化をやめ、海外展開もやり直し、生産機能も買収で取り込み、顧客フロントを大胆に集約し再建したのか。何度も失敗しながらもなんとかやり遂げたのは読んでいて勇気づけられた。

 

| 13:42 | leadership+management | comments(0) | trackbacks(0) |
[BOOK]会社を立て直す仕事

海外現地法人を親会社の立場から管理する仕事に就いてから、改めて経営改革を考えることが多くなった。いくら親会社の庇護の下とはいっても、当該国では一法人であり課題は山積していることが多い。商品は親会社から供給されるとしても、そもそもそれを当該国市場で受容されるようにするためには様々な工夫が必要だ。ただし目の前の売り上げを作ることばかりに拘泥していると、会社組織としては未整備のまま。時限爆弾のように問題はいつか爆発する。

 

 

本書はターンアラウンドマネージャという不振企業の再建を請け負う役割の仕事がどういうものなのかを俯瞰するのにわかりやすい。どのようなフレームワークで問題を構造化し布石を打つのか。どのようなアプローチで解決にあたるのか。

 

フレームワーク自体はシンプルであるが、その不振企業の実力を見極めながら打ち手を調整していくあたりにこそ本質があるのだろう。ここは経験なり人を見る力が重要であり、彼らを改革に向かわせる人間力と、それを組織の力として定着化させる仕組みづくりが腕の見せ所のようだ。

 

 

以下は気になった点のメモ:

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課題解決ガバナンス=優れた企業になるための質の高い課題解決

 

確実な利益成長のアプローチ=Shrink-to-Grow

 

変革成功の4条件

 -危機感⇒変革のWhy
   =立場や部門の壁を超えて、「変わらなければならない」あるいは、「これを何とかしなければ」という変革意識
 -目標・方向感⇒変革のWhat
   =目指す姿などの抽象的な方向性や具体的な目標
 -担い手⇒人に関するHow
   =変革の牽引者としてのリーダーシップを取る人材あるいはグループ
 -一貫した打ち手⇒打ち手のHow
   =業績と体質の同時改善を実施することを視野に入れた、系統だった変革施策

 

変革のリーダーとしての要件

 - 体質改善に向けた打ち手のバランスとスピード感に対する理解
 -「精緻な変革プログラム設計力」と「大胆かつ、一貫性のある実行力」
 -高い目線
 -人に対する意味ある忍耐力
 -株主との緊張感のある協調・協力関係への理解・働きかけ
 -「何とかする」前向きな姿勢

 

ターンアラウンド・マネジャの役割

 -変革の設計者=Architect
 -変革の実行者=Executor
 -翻訳者=Translator
 -基準設定者=Standard Setter
・企業変革の診断
 1)業務改善タスク=業績目標とそこに至るための改善レバーはいかなるものか?
 2)変革のリーダーシップ=変革のリーダーシップ(グループ)の目線、能力、スタイル、制約条件はいかなるものか?
 3)変革のエネルギー=変革を推進しうるエネルギーをどこに求め、どう使うか?
・設計すべき変革プログラム
 1)変革マネジメント=変革成功の4条件をどう満たすか?
 2)変革メカニズム=リーダーのスタイル、能力および、課題の性質を踏まえ、どんな構造・体制のイニシアティブとするか?
 3)変革の具体策=業績と体質の改善に向け、具体的に何をいつ実施するか?
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| 14:33 | leadership+management | comments(0) | trackbacks(0) |
[BOOK]「課長」から始める 社内政治の教科書


書生のように理想を声高に叫ぶだけでは何も成しえない。人が3人いれば政治は始まる。誰しも自分に有利な状況を作りたがり徒党を組む。大義があればこそ、それをどうやって実現するのか、そのための術をもつことは生き残る上では重要。それに失敗してしまった自分がここから再起できるか、改めて振り返ってみようと思う。



以下は、気になった点のメモ:
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・政治力=自分や相手の立場をうまく利用して巧みに物事を進めていく力

・社内政治=現実であり、課長にとって最重要の仕事であり、影響力のゲームである

・影響力=信頼関係、実績、専門知識によって生み出され、自己増殖性がある。

・社内政治の鉄則=味方を増やして敵を作らない。長期戦なので信頼を貯金した者が優位に立つ

・味方を増やすためには、あらゆる機会を捉えて「自分に対する重要感」を与えること。そのためには、相手の話に耳を傾け、気にかけているという姿勢を示す

・私心を大義に磨き上げる

・できるだけ議論を避け、相手が本人の意思で自分の意見に賛同するよう仕向ける。そのためには、相手の自尊心をくすぐり、優越感を与えつつ、気持ちよく話してもらい、準備していた論理に沿うように誘導していく

・社内の部門間の情報の壁から生じる情報格差を活かし、情報を掛け合わせて社内動向を察知する

・社内のパワーバランスを把握し、立場の弱い人を味方につけ、部下には安易に同調せず現実的対応をし、競わせながら、公平にえこひいきする

・部下の昇格は課長の最重要課題。1年前から準備をはじめ、人事権者へさりげなくPRする

・上司に対しては、好き嫌いを捨てプロに徹する。上司が求めていることを知り、全体最適の中での自組織の主張をし、上司の仕事のやり方に合わせる

・派閥とは等距離外交を心掛けて中立的立場をとる。そのためには、ビジネスマンとしての「誠実さ」を言動の基軸に据える

・政治に勝とうが負けようが人生においては大した問題ではない。何を成し遂げたいと思っているのか?どのような生き方をしたいのか?その「思い」が本物であるかどうかが大事

| 11:18 | leadership+management | comments(0) | trackbacks(0) |

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